新商品の導入を決めたら、商品情報を登録し、発注して、棚に並べる。その間には、いくつもの判断と受け渡しがあります。
例えば、商品は届いているのに、売価表示が間に合わない。棚を替えたが、補充の条件が以前のままになっている。これは説明用の場面ですが、仕事を一つずつ見ているだけでは、こうしたつながりを見落としやすくなります。
今週は、新商品を一つ選び、商品部と店舗で先にそろえることを考えます。
1.誰の、どんな用途に応えるのか
その商品を入れる目的を、一文にします。「新商品だから」だけでは、売場で何を確かめればよいかが分かりません。
誰が、どんな場面で使う商品なのか。いまの品揃えでは何が足りないのか。商品部の仮説を、店舗でも理解できる言葉にします。
2.何を、いつ変えるのか
対象の商品、売価、棚位置、陳列量、納品・補充条件を、変更前後で記録します。開始日だけでなく、商品情報の登録、納品、売価表示、棚替えがそろう順序を確かめます。
ここでいう「そろう」は、指示を出した状態ではなく、店舗で販売を始められる状態です。
3.誰が判断し、誰が実施するのか
商品部が決めること、店舗が確認すること、実施責任者、条件がそろわないときの相談先を明らかにします。
権限や作業時間が足りない場合は、そのまま現場に任せず、管理者が実行条件を整えます。担当者名だけを書いても、動ける仕組みにはなりません。
4.実際にできたことを、どう返すのか
予定どおりに変えたことと、変えられなかったことを分けて返します。実施日、実際の棚の状態、欠品や納品の状況を、後から追えるようにします。
差異の記録は、次の計画を直す材料です。事実と、その原因についての推測も分けて残します。
5.何を見て、次を決めるのか
販売数量や荒利高に加え、欠品、値引き・廃棄、補充作業、周囲の商品の動きを確かめます。対象と期間をそろえ、売場が計画どおりになっていたかを一緒に見ます。
試す期間と判定基準は、商品の特性や確かめたいことに合わせ、開始前に決めます。
今週、自分の仕事で試すこと
次の導入商品を一つ選び、商品部と店舗で、次の五行を埋めてみてください。
- この商品を入れる目的は何か。
- 変更する内容と、販売開始までにそろえる条件は何か。
- 判断する人・実施する人・相談先は誰か。
- 実施した事実と差異を、いつ、どこに残すか。
- 何を見て、継続・修正・中止・追加確認を決めるか。
記入例を見る(説明用の例)
ヨーグルトの容量の選択肢を増やす場面を想定した、説明用の例です。実在企業の実績ではありません。
- 目的
- 想定する用途に対し、今の品揃えで足りない容量の選択肢を補えるか確かめる。
- 変更内容と条件
- 対象商品・売価・棚位置・陳列量・初回納品と補充条件を、変更前後で記録する。商品情報の登録、納品、売価表示、棚替えがそろってから販売を始める。
- 判断・実施・相談先
- 商品部が案を作り、店舗が実行条件を確認する。実施責任者は店舗の部門責任者、条件がそろわない時の相談先は商品部の担当者。
- 事実と差異
- 実施した日に、実際の棚の状態と欠品・納品の状況を、共有の記録に残す。
- 判定
- 開始前に決めた期間と基準で、販売数量・荒利高に欠品・廃棄・補充作業を添えて見て、継続・修正・中止・追加確認を決める。
埋められない行があれば、次の打合せで確かめる論点になります。その一つを明らかにするところから、仕事の設計図を育てていきます。
